特総研の認定講習!聴覚障害教育領域①聴覚障害教育の基礎」予想問題

第1問次の中から、誤っているものを一つ選びなさい。
第2問「9歳の壁」に関した記述の中で、誤った記述を次の選択肢の中から一つ選びなさい。
第3問義務教育段階における聴覚障害児童生徒の教育の場について、誤ったものを次の選択肢の中から一つ選びなさい。
第4問授業の充実のポイントについて、誤っている記述を一つ選びなさい。
第5問聴覚に障害がある子供への指導のあり方について、誤った記述を次の選択肢から一つ選びなさい。
次の学習をしよう！

第1問次の中から、誤っているものを一つ選びなさい。

	1．昭和23年、盲学校・聾学校への就学義務制が実施され、聾学校の在籍児童数が急増した。
×	2．昭和４０～５０年代に、聾学校幼稚部で早期教育を開始し、３歳以上の乳幼児が指導の対象となった。
	3．昨今、人工内耳を装用する子供が増加している。

【解説】
昭和40年から50年代には、聾学校の幼稚部で早期教育を開始し、「３歳未満の乳幼児」も指導の対象とされました。ただし、法令上の制度ではなく、乳幼児教育相談という位置付けで開始されました。保護者の心の安定を支える意味でも、乳幼児教育相談が欠かせないものとなっていきました。

第2問「9歳の壁」に関した記述の中で、誤った記述を次の選択肢の中から一つ選びなさい。

	1．「9歳の壁」とは、9歳くらいの段階で、抽象的な語彙の習得や抽象的な思考が難しいために、読み書きや学力の面で伸びなやむ(停滞する)状態を意味している。
	2．小学生の低学年までは生活中心の教材が多く、直接経験した題材を取り上げて学習していくが、小学3・4年生になると児童の経験したことのないような事柄が増え、間接経験を主体にした題材が多くなり、理解しにくくなっていく。
×	3．言葉による抽象的な思考の困難は、知的能力や学力に大きく影響を及ぼすと考えられている。学習言語から生活言語への移行をスムーズにしていくことが大事である。

【解説】
言葉による抽象的な思考の困難は、知的能力や学力に大きく影響を及ぼすと考えられています。
日本語の生活言語を豊かに獲得させ、生活言語から学習言語への移行をスムーズにしていくことが大事です。

第3問義務教育段階における聴覚障害児童生徒の教育の場について、誤ったものを次の選択肢の中から一つ選びなさい。

	1．聴覚障害児童生徒を対象とする特別支援学校
×	2．児童発達支援センター
	3．難聴特別支援学級・難聴通級指導教室

【解説】
義務教育以外の場としては、児童発達支援センター等で相談指導を受けていたり、大学の言語聴覚センター等で相談指導を受けたりしている場合もあります。

第4問授業の充実のポイントについて、誤っている記述を一つ選びなさい。

	1．「教材の選択」と「指導のねらいの明確化」が、まず大切である。
×	2．発問は、メディアにこだわる必要があり、指文字を活用したほうがよい。
	3．発問は、思考を導く、道しるべであり、板書は、思考の経過が分かる、足跡でもある。

解説】
発問は、メディアにこだわる必要はありません。
口話であろうが、手話であろうが、指文字や文字であろうが、何を考えさせるかが重要です。

第5問聴覚に障害がある子供への指導のあり方について、誤った記述を次の選択肢から一つ選びなさい。

×	1．聴覚障害のある児童生徒の場合、教科書の指導内容を削除したり、違う学習に替えることが大切である。
	2．聴覚障害のある児童生徒の国語科指導においては、写真や図などの教材を目にした児童生徒が思考し、言語化するための発問が求められる。
	3．聴覚障害のある児童生徒の、個々の児童生徒の実態把握では、聴力レベル、聴覚活用の状況、コミュニケーション手段、語彙数、言語活動(聞く、話す、読む、書く)の状況、国語科で身に付けてきた力、学習意欲、題材に関する興味・関心など、これらの観点で個々の実態を把握する必要がある。

【解説】
聴覚障害のある児童生徒の場合、出来事の因果関係や言動の背景など、目に見えない事柄を理解することが難しいことが見受けられます。
相手の立場に立つ、あるいは人間関係を俯瞰して見る、筆者の意図を考えるといったことは容易ではありません。
だからと言って安易に内容を取り扱わなかったり、違う学習に替えてしまったりすることは望ましくありません。
このため、単元のねらいを明確に設定し、その達成のために必要な指導内容や指導方法の工夫をすることが大切です。